苦手なこと嫌いなこと
最近の教育は長所を伸ばすことが大切といわれます。私も基本的には賛成ですが、勉強やスポーツでは良くても武術として考えた場合は問題があります。いくら優れた技を持っていても弱点があればそこを狙われてしまうからです。
師範からは「自分の苦手ことを稽古しなさい。そうすれば得意なことがもっと活きてくる」「蹴りが得意な人は突きを、突きが得意な人は蹴りを、そうすればもっと強くなる」「長所は放っておいても伸びる」と教わりました。
得意なことは好きだから、やるなと言われても稽古します。苦手なことは嫌いなので稽古しません。例えば体の柔らかい人はよくストレッチをします。だから益々柔らかくなります。一方、体の硬い人は硬くて恥ずかしいからあまりしません。だから益々硬くなります。
苦手なことは誰にでもあります。しかし、苦手なことを嫌いになってしまうと、もう稽古しなくなってしまいます。これは空手だけでなく、勉強や食事、人間関係でも同じだと思います。「苦手なことを嫌いなことにしない」「苦手な人を嫌いな人にしない」ことが大切だと思います。「苦手な人を嫌いな人」にしてしまうと、その人の良いところを見ようとしなくなってしまいます。苦手なこともやっていくうちに得意になることもあるはずです。
春になり転勤や就職などで新しい生活が始まり、人間関係に戸惑うこともあると思います。苦手な人も嫌いにならなければいいところも見えてきます。
「苦手と嫌い」は違うことを覚えておきましょう。
押忍。
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