鬼ごっこ
最近、稽古前にアップを兼ねて「鬼ごっこ」をやっています。
「鬼ごっこ」は遊びながら、敏捷性、持久力、洞察力など沢山のことが楽しく自然に学べます。
これは、サッカーやバスケットなどのスポーツではとても重要です。鬼ごっこでこれらの基礎を養っているとは子供達は気付いていないと思います。
この鬼ごっこには少し違うところがあります。まず、鬼は2人で行います。
最初に幼年や1年生が高学年を指名してペアを作ります。そのペアのどちらかが捕まったら二人共鬼になります。
鬼は大きな声で数を数えながら10回腕立て伏せやスクワットを行います。
最近は縦割りで遊ぶことが少なくなっています。しかし、この鬼ごっこなら小さな子を守ろうとしたり、小さな子が捕まえやすくなるように追いかけたりします。
最初の頃、驚いたのは、洞察力やバランスが悪く、ぶつかる子が沢山いたことです。また、ぶつかって小さな子が泣いていても謝りもしないことです。
-----ある日、こんな事がありました------
鬼だった低学年の男の子が年長の女の子の顔にタッチしました。
女の子は顔を押さえて泣いてます。男の子はどうして良いか分からず黙って立っています。他の子供達も何があったか分からず、少し離れた所で黙ったまま見ています。昔ならすぐに「あっゴメン。大丈夫?」と訊くし、上級生が「どうした?何があった?」と駆け寄ってきたものです。
私はこれを見た時「お~い、○○が泣いてるぞ!みんなで何とかするんだぞ~」と言って数分間、見守っていました。
それでも固まったまま誰も動きません。
「お~い!黙っていても何も解決せんぞ!上の帯や上級生頼んだぞ!」
また、じっと我慢して見守っていました。しかし誰も動きません
これはダメだと思い、出雲で指導するようになって一番の雷が落ちてしまいました
「いい加減にしろ!泣いている子がいるだろう!知らん顔か?ぶつかった奴は何で謝らないんだ!他の奴も仲間が困っていても知らん顔か~!こっちの方が空手の稽古よりもっと大切だ。解決するまで稽古はしない!」
そう言って外に出ました。その場にいた大人の人達にも「自分たちで考えさせて」「手を貸さないように」と言っておきました。
数分して入ってみると、「大丈夫?」「目に入った?」「顔洗って来たら?」など、みんなが心配して泣いていた子の周りに集まっていました。泣いていた子も、大丈夫のようです
「わかったかぁ~?失敗は誰にでもあるよ!悪いことをしたら謝る。小さな子の面倒はみる。分からなかった訊く。当たり前のことだぞ!」
「わかったか?」
「オース」
「声が小さい!」「本当にわかったかあ?」
「押忍!!!」
「よし!もう終わり!さぁ稽古しよう!」
--------------end-------------------
今の子供達はコミュニケーションがとれなくなってしまっています。
これは子供が喧嘩をしても、大人が大人の理論ですぐに仲裁に入るからだと思います。
「謝りなさい」と言われれば謝りますが、大切なのは自分から謝ることです。また、子供は子供で考えさせることが大切です。
少々のトラブルはじっと我慢して見守ることです。
また、同い年の子ばかりではなく、色々な学年が集まって遊ぶと良いと思います。
サッカーや野球などの団体競技で先輩、後輩の関係は学べますが、どうしても指導者を通しての関係になりがちです。
出来れば親戚などが集まった時に遊ばせてあげると良いと思います。
一番上の子に「みんなの面倒をみてね」と頼んで大人は離れると、子供達で何とかするものです。
「鬼ごっこ」は子供達に「せんせ~おにごやろ~」と人気なので、これからも続けようと思っています。
これからも転んだり、ぶつかったりしながら沢山のことを学んでいって下さい。
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