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巣立ち

先日手紙が届きました。中学卒業と共に空手を辞める子とそのお母さんからでした。

 

本人からは今までの感謝、これからの決意、無事に希望した高校に合格したことが書いてありました。

 

お母さんからは、感謝と共に、本人が考え悩み空手を辞めることを決意した様子が書かれていました。

 

この子との出会いは彼がまだ幼稚園でした。体が小さく、体の大きな子にいじめられるので・・・。というわけで入門してきたと思います。

 

体は小さいけど、柔軟性やバランス感覚に優れていて、どんどん上達していきました。

 

しかし、試合ではどうしても大きな子に負けてしまいます。

 

「今は負けても体はいずれ大きくなる。いつか勝てる日が来るから頑張ろうな」

 

と言ってきました。

 

同じ学年でも4月生まれと3月生まれでは1歳違います。例えば3月31日生まれなら、1日後に産まれていたら1学年下と戦うことになります。もちろんチャンピオンになれる可能性はぐんと高くなります。

 

しかし、この体格差も高校卒業する頃には無くなります。少年部で勝てなくても高校では勝てるようになってきます。だから、中学生は部活に勉強と大変ですが、休みながらでもそこまで続けて欲しいと思います。

 

また、10年続ければ技はもちろん、挨拶や話し方なども身に付き、自然に出来るようになってきます。そうすればどこに行ってもやっていけると思います。逆にいえば10年は続けないと身体には染み込まないとも言えます。

 

空手の動きは他のスポーツや格闘技に活かせることが沢山あります。実際今までにも空手をやりながら、サッカーや野球、バスケット、ボクシング、柔術などを習っている人がいました。スケートの選手が自転車をするように、筋トレやクロストレーニングの意味でも空手は続けた方が良いと思います。

 

空手を10年続け、そこからどうするか決めていけば良いと思います。

 

手紙をくれた子も10年続けたことになります。話し方や考え方など本当にしっかりしています。

 

その子が自分で考えて決断したのです。多分これから先も自分の夢に向かって努力していってくれると思います。

 

春になると卒業や転勤で離れていく道場生から手紙をもらうことが多くなります。そんな時、このような関係が築けたことを本当に嬉しく思います。

 

指導しているようで道場生から気付かされ教えられることが沢山あります。

 

今の自分があるのも、付いてきてくれる道場生や保護者の皆さんのお陰だと思っています。

 

「悪いことは本気で叱る」「良いことは本気で褒める」

 

これは私が指導するようになってから一貫して貫いてきた方針です。

 

教える側が本気にならなければ、教わる側も本気にはなりません。

 

極真空手は直接打撃制です。いい加減な気持ちでやっていると大怪我につながります。これからも、悪いことは叱り良いことは褒め、為にならない、危ないと思えば叩きます!

 

道場生の皆さん!とりあえず10年間休みながらでも良いので、自分のペースで続けて下さい。必ず心も体も変わります!必ず続けて良かったと思います!

 

巣立っていく皆さん!特に4級以上の皆さん!

 

皆さんがどう思っているかは知りませんが、離れても私の教え子であり、師範の弟子であったことに変わりはありません。

 

極真館山陰支部にいた事を忘れず、先生や仲間を裏切らない、恥ずかしくない生き方をして下さい。

 

また逢える日を楽しみにしています。お互いに成長した姿で逢いましょう

 

 

 

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